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サンタクロースパイ

22.忘れていた想い

そうして2人は〝グロリアスライダー〟の魅力を語り合った。

すると霧河が「俺も昔は、あんなたくさんの人を助けて、たくさんの人から愛されるカッケー
男になりたかったんだけどな~・・・」と言った。

「え?何言ってんの?もうなってんじゃん」「え?いやいや、冗談はやめてくれよ(笑)。俺は
あんな強くないし、あんなに大勢の人を助けたりなんかも出来ないよ」「いや!兄ちゃんはも
う、たくさんの人を助けてる!!だって、ちゃんと、俺にもクリスマスプレゼントくれたし、
いつも俺だけじゃなくて、他の人達にもプレゼントをあげてるんだろ?!」「ま、まぁ、そう
だけど・・・でも、こんなの、俺が自己満足でやってるだけだし、本当はやっちゃいけない事
だしね」「いいや!兄ちゃんは、〝サンタクロース〟っていうヒーローだよ!!!たくさんの
人達に、プレゼントだけじゃなくて、夢や希望まであげてんじゃん!!!超カッケ―ヒーロー
じゃん!!!」「・・・・・・!!!」

霧河は感動し、両親の事を思い出した。(そうだ。俺がまだサンタさんを信じてた頃も、俺に
とってサンタさんは、自分の寝てる間に姿を見せずにプレゼントをくれるヒーローのようなカッ
コ良い存在だった。でも、死んだ後だったけど、いつも、プレゼントをくれてたのが実は父
さんと母さんだって知ってからは、父さんと母さんが俺にとってのヒーローになったんだ。こ
んな大切な事、すっかり忘れてしまうなんて、俺は・・・・・・)

その時抱いた感情が蘇り、霧河は泣いた。

「に、兄ちゃん・・・どうしたの?突然泣いて・・・」

それに対し、「あ、いや、〝グロリアスライダー〟がカッコ良過ぎて、思い出したら涙が出て
きたんだよ」と嘘をついた。

「何だよそれ(笑)。でも、感動シーンもいっぱいあるよな!!!」「うん!!!」

red18
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