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サンタクロースパイ

26.サンタクロースの色

「う、う~ん・・・」

音を立てたせいで女の子が起きてしまった。

「あっ!いっけね!!」

慌てて壁にぶつかった霧河は、誤って蛍光灯のスイッチを押してしまった。

「ワ~ッ!!」と女の子が叫ぶ。

そこでまた霧河が女の子の口を霧河自身の手で抑え、「シ~ッ!!」と言う。

もう、本日3度目だ。

(毎度、子供が叫ぶ度にこれだから、ホント焦るな~)

「ねぇお兄さん、一体誰なの?」「俺は〝サンタクロースパイ〟さ!!」「へ~」

今回は、いつも言われる言葉がない。

「ねぇ、ひょっとして君、〝スパイ〟って言葉を聞いた事がある?」「知らな~い」

霧河はここでまたズッコケた。

「知らねぇのか~!!」と思わず大声を出してしまった。今度は女の子が「シ~ッ!!」と言
う。

「あ~!悪りぃ!!悪りぃ!!」で、会話をした。

「お兄ちゃん、サンタさんなんだね!!サンタさんって、若い人もいるんだ!!!」「ま、まぁ
ね!!」「でも、サンタさんって、赤い服を着てるんじゃなかったっけ?」「あ~、まぁ、
本来ならそうだね。でも、まぁ、〝サンタクロースは赤い服を着なきゃいけない〟って決まり
はないからね」「そっか~」「うん。そうだよ。でも、黒いサンタクロースも悪くないでしょ
?!」「まぁね!!カッコ良いと思うよ!!!」「ありがとう!!!」

霧河は嬉しそうに笑いながら言った。
red18
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